あなたの徒然なるままに。

フィクション少々

コロナ自粛GWは斯くありき。

今年のGWは彼女もいないしコロナ自粛も相まって、暇つぶしといえば近所のバーに行くくらい。

もちろん酒を舐めに行くのではない。どちらかというと舐めるのは辛酸である。彼女はできないし会社はむかつく。追い込めきれない自分にも腹が立つ…。

「マスター、いつもの。」

マスターというか、もはやバーそのものである彼は澄ました顔が板についている。いや、ここでは棒の方が正しいか。

僕はいつも3回やったら店を変えて、違うテイストを楽しむ。お酒に例えるならば、とりあえずビールでひとまず満足したら、次はジントニックなんかですっきりし、最後はスモーキーなウイスキーをロックでしっぽりといった感じか。

 

バーは大体2軒目以降だ。自粛中のこの日は家で軽くやった後だった。久しぶりだったので様子を見ながらゆっくりとこなしていこう…あれ?まだ5回なのにもう目が回ってきた。思考が停止してくるこの感じ。加えて今すぐやめて帰りたくなってきやがる。

「おらぁ」

珍しく声を荒げてしまう。学生のときは10回×3なんて余裕だったのになあ。足りないから綱登りも追加してくらい。

千鳥足の帰り道はプロテインをテイクアウトする。三密回避の徹底である。帰ったら納豆卵かけご飯を食べて、アマゾンプライムで映画を観て寝よう。最近ブラピにハマっている。今日はSNATCHを観る予定だ。