あなたの徒然なるままに。

フィクション少々

eternal theme

僕と君が見るこの空の青さはほんとうに同じと言えるだろうか。答えは否だ。

昨日出かけた水族館、水槽の中のクラゲが揺れながら水色に染まっていた。その青さとまるきり同じだとふたりで目を見合わせたとしても、基底となったクラゲが君の瞳に映り込み、僕のニューロンを発火させた後も、依然として僕らの見る色が同じ青だと証明することはできない。

しかし、僕は君が見る青は見えていなくても想像することができる。逆もまた然り。それは1+1=2であるように、簡単で、誰に教えてもらわなくともなんとなく知っている定理である。

だから僕は、君の話にいつも頷かないし君の言葉にいつも従わない、君の行動をいつも肯定しないし君の気持ちにいつも応えない。

ただし、青が正しく青へ変換されるように、いつもパラメータを調整する。

どんなにかけ離れていても理論上は変換可能であるが、同じ宇宙に存在することだけを神に祈る。